2021年12月17日(金)に令和3年度秋期 情報処理技術者試験の合格発表が行われました。
合格発表が行われたのは、以下の試験です。
合格発表が行われた試験
・応用情報技術者試験 (AP)
・プロジェクトマネージャ試験 (PM)
・データベーススペシャリスト試験 (DB)
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験 (ES)
・システム監査技術者試験 (AU)
・情報処理安全確保支援士試験 (SC)
さて、IPAは合格発表だけでなく、合格率の統計情報も公開しているのをご存知でしょうか。この統計情報には、各試験の都道府県別、業種別、経験年数別、最終学歴別など様々な観点での合格率が記載されています。
あなたが令和4年春期以降の試験を受ける際の参考になればと思います。
この記事では、IPAが公開している令和3年度 秋期 応用情報技術者試験の統計情報をピックアップして紹介します。
応用情報技術者試験 (AP) 統計情報
勤務先別 合格率
応用情報技術者試験の勤務先の業種別の合格率と、受験者数、合格者数です。
グラフだけを見ると、「電気・ガス」、「調査業、広告業」など、IT系ではない業種の合格率が高いですが、これには理由が2つあると考えます。
- IT系ではないにも関わらず、応用情報技術者試験を受験する時点で、比較的スキルがある人が受験すると考えられるため
- IT系以外の職種はそもそもの受験者数がかなり少ないため・
基本的にこのような統計情報はサンプル数が少ないほど、結果がブレやすいです。「電気・ガス」の合格率が51%と高いのは、受験者数が100名と少ない点と、他業種にも関わらず、応用情報技術者試験を受験するような比較的スキルの高い人もしくは、意欲のある人が受験しているためであると考えます。
応募者 | 受験者 | 合格者 | |
ソフトウェア業 | 10,026 | 6,240 | 1,274 |
情報処理・ 提供サービス業 | 6,524 | 4,027 | 876 |
コンピュータ及び 周辺機器製造又は販売業 | 485 | 318 | 78 |
農業、林業、 漁業、鉱業 | 16 | 13 | 1 |
建設業 | 344 | 208 | 66 |
製造業 | 2,002 | 1,353 | 481 |
電気・ガス・ 熱供給・水道業 | 160 | 100 | 51 |
運輸・通信業 | 515 | 313 | 113 |
卸売・小売業、飲食店 | 260 | 167 | 60 |
金融・保険業、 不動産業 | 731 | 415 | 150 |
サービス業 | 722 | 439 | 128 |
調査業、広告業 | 60 | 41 | 17 |
医療・福祉業 | 127 | 68 | 16 |
教育(学校、研究機関) | 219 | 137 | 33 |
官公庁、公益団体 | 709 | 497 | 173 |
無職、その他無記入 | 13,457 | 7,831 | 1,719 |
経験年数別 合格率
経験年数別の合格率、受験者数、合格者数です。
まず、受験者数から見ると、経験年数が1〜6年の人たちが多く受験しています。経験年数がそれ以上になると、受験者数がどんどん減少していってます。
合格率で驚いたのは、経験年数が上がれば上がるほど、合格率が下がっていることです。経験年数が上がれば上がるほど、受験者数が減少し、かつ合格率が下がる。この現象にはどんな原因があるのでしょうか。
ただ、この結果から言えるのは、応用情報技術者試験は、経験年数によって合格率が大きく変わる、いわゆる経験年数がものを言う試験ではないということです。経験年数が低かったとしても、正しく勉強し、対策すれば合格することができます。
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応募者 | 受験者 | 合格者 | |
経験なし | 96 | 71 | 20 |
1年未満 | 2,897 | 2,300 | 808 |
2年未満 | 3,360 | 2,492 | 714 |
2年以上4年未満 | 4,228 | 2,870 | 793 |
4年以上6年未満 | 3,126 | 2,062 | 538 |
6年以上8年未満 | 1,934 | 1,240 | 295 |
8年以上10年未満 | 1,532 | 990 | 276 |
10年以上12年未満 | 1,631 | 1,063 | 224 |
12年以上14年未満 | 1,181 | 774 | 161 |
14年以上16年未満 | 1,068 | 673 | 131 |
16年以上18年未満 | 751 | 484 | 98 |
18年以上20年未満 | 808 | 527 | 98 |
20年以上22年未満 | 1,064 | 707 | 141 |
22年以上24年未満 | 720 | 467 | 82 |
24年以上 | 2,277 | 1,565 | 274 |
無記入 | 15,082 | 9,815 | 2,062 |
在学中の学校別 合格率
在学中の学校別の合格率、受験者数、合格者数です。このデータからは、文系、理系や情報系かどうかの区別はつきませんが、やはり大学院や大学、高専など比較的専門的な学生が多いカテゴリの合格率が高くなっているようです。
それにしても、小・中学生で応用情報技術者試験を受験し、合格している人がいるのが驚きですね...
応募者 | 受験者 | 合格者 | |
大学院 | 599 | 410 | 206 |
大学 | 1,890 | 1,377 | 534 |
短大 | 18 | 15 | 2 |
高専 | 71 | 61 | 20 |
専門学校 | 2,264 | 1,966 | 251 |
高校 | 177 | 158 | 31 |
小・中学校 | 2 | 2 | 2 |
その他 | 37 | 29 | 5 |
まとめ
応用情報技術者試験の統計情報を紹介しました。応用情報以外にも、スペシャリスト系資格の統計情報も記載されているので、興味のある方は是非、IPAの統計情報をご確認ください。
以下が応用情報技術者試験の統計情報まとめです。
統計情報まとめ
- 応用情報技術者試験は経験年数1年~6年の人が一番多く受験している
- 経験年数が上がるほど、合格率が下がる
- IT系、非IT系含め、合格率は20%〜40%程度
- 未経験で合格する人も一定数存在
- 小・中学生で合格する人も存在
個人的には、経験年数が上がるほど合格率が下がっていることと、小・中学生で合格する人がいることが驚きです。
経験年数1年〜6年の人が多く受験していることからも、応用情報技術者試験に受験する適正年数もそれぐらいなのかもしれません。未経験の人や新入社員の人、文系学生でも一度、腕試しで受験してみてはいかがでしょうか。